数年前から温度測定器を開発する計画が立っていた。
しかし、日々の仕事の中でなかなか進む事が出来なかった。
ロー付装置などを作るときに「温度管理が出来ると良い」という話にいつもなる。
そのときに作ってみることになるが、何せ電気を通電して発熱させる装置なので、 ノイズを拾ってしまったりしてなかなかうまく行かなかった。

弊社の装置で抵抗発熱させる装置として、抵抗ロー付装置、自動はんだ付装置、パルスヒート、熱圧着などが挙げられる。
ロー付、はんだ付け、パルスヒートは秒単位なので、 シーケンサなどの温度コントローラーを使うことで、ある程度制御が可能になる。
しかし、熱圧着は10~30msで常温から600~800℃になるので、 100ms程度のサンプリングの温度コントローラでは測定不可能となる。
高速と名のつくものでも10~20msのサンプリングなので、1回取れるかで、 測定値からかなり離れた数値になり、ばらつくのでなかなか使えない。

弊社は4μsでサンプリングできる温度計を作ってみた。
常温から20msで700℃に上昇すると予測できる温度の反応をキャッチできるように出来た。
理論に近い数値でピーク値を記録する事が出来た。
発熱部に熱電対をつけて測定してもノイズを拾っているような感じはしない。

現在は高速でピーク値を測定する装置として、プロトタイプが完成している。
近日中に弊社ホームページに掲載したいと思っている。

反応の速さから設定温度になったときに通電をストップするように溶接電源と組み合わせて実験したいと考えている。
この装置がうまく行ったら、今まで通電時間のコントロール設定で温度をほぼ一定として管理していた条件を温度の設定値で管理する事が出来るようになる。
溶かす道具なので温度管理できることは非常に解りやすくなる。
何より、溶け具合は温度に左右されるので、ばらつきをなくす事になり、 より精度の高い接合を可能とするようにも思う。

まだ未知数だが、これから、この高速温度計と組み合わせた便利な装置を作れたら面白いと感じていいる。