パルスヒートコントロール

パルスヒート概要

パルスヒートコントロールとは、モリブデンやタングステンなどの発熱の良い材料で作ったヒーター電極の先端に 熱電対を取付けて、ヒーター先端部の熱管理をしながら、通電コントロールしてヒーター電極を発熱させ、 フレキ基板のはんだ付けや被覆線(マグネットワイヤー)の熱圧着・熱圧接などを行うコントロールシステムを言います。

パルスヒートコントロール電源

ヒーター電極に取付た熱電対で温度をリアルタイムにフィードバックさせ、設定温度に保つ制御機能が備わった交流溶接電源です。
装置の種類によって異なりますが、一般的なものは第1ヒート(1st)と第2ヒート(2nd)と2段通電できるものが多く、 例えば1stで100℃、2ndで350℃などとして、フレキ基板のはんだが綺麗に流れるように設定します。
上記アニメのように1st・2nd個々に温度と時間が設定できますので、はんだ量、接触面、ヒーター形状などでいろいろな設定を組むことが出来ます。

ヒーター電極

モリブデンやタングステンで作られることが多いです。
抵抗値が高いので発熱しやすく、温度のコントロールがし易いからです。
ヒーターの形状は電極先端部を発熱させる為に電流が流れにくい狭い部分を作ります。 この狭い部分に電流が流れるときにヒーター先端部が発熱します。この発熱温度を管理する為に熱電対を取り付けるわけです。

熱電対

異なった2本の金属材料の先端を溶接して作られます。
この溶接部に熱を与えると異種金属で構成されているため、個々に熱の伝わり方が異なり、この線の両端に電圧が掛かります。
この電圧を測定することで、熱電対の先端部の温度を知ることが出来るのです。
この現象を利用して、先端部の温度をコントロールする制御装置を電源装置に内蔵させるのです。

条件設定

通常の溶接電源と違うのは電源の設定方法が温度と時間というところでしょうか?
使用されているはんだや被覆線(マグネットワイヤー)の耐熱温度により、掛ける温度と時間がスペック的に理解できることから、 温度と時間の設定だとある程度条件が見えてくるので、管理者には扱いやすいと思われます。
さらに細かなアップスロープなどを使うことでより美しい接合条件を模索することが出来ます。

接合ワーク

  • はんだメッキ(Au-Au-Sn/Au-Sn/鉛フリー)と基板の接合
  • 被覆線(マグネットワイヤー)と基板パターンの熱圧着、熱圧接
  • フレキ端子と基板
  • 樹脂のカシメや溶着(ヒーター電極を使うことで金属以外の溶接も出来ます。)

★弊社の今後の目標はこの温度管理で鉛フリーはんだを上手に溶かし込むようにコントロールすることです。