シーム溶接について

シーム溶接について

シーム溶接は回転電極を使い、回転させながら通電させて連続溶接することを言います。
シーム[seam]は英語で「縫い目」「継ぎ目」という意味で二枚の金属板を縫うように溶接することを指します。
上のアニメのようにナゲットを連続して形成することができます。

通常のダイレクトスポット溶接で1個づつナゲットを形成しても同じような溶接は可能です。
しかし、その場合は「短絡分流」の影響によって2打目、3打目と溶接電流を大きくしていく必要があります。
シームの場合はナゲットが形成する前に次の溶接に入っているため、「分流」の影響を受けにくいのです。
そのため、きれいに早く溶接することができるのです。
装置がメカニカルでメンテナンスもそれなりに必要ですが、効果はあります。
板の変形が少なく、ナゲットが重なっていることから、封止が必要なワークの場合は特に有効といえます。
例)燃料タンク、塗料缶、食品の缶など

回転電極の回転速度について

シーム溶接は通常交流溶接電源を使用します。
関東の50HZの場合で1分間に50回通電するわけですから、そのタイミングを考慮して回転電極の回転速度を決定しなければなりません。
交流式の場合には  P=VT/3000 で計算することができます。
P;ナゲットのピッチ V;溶接速度(mm/min) T;通電周期 3000;50Hz=3000回/min(60Hz=3600/min)

近年、微細型の封止溶接ではインバータ式溶接電源でシーム溶接の制御が可能な装置も増えてきています。 コンデンサ式のロールスポット方式によるシーム溶接もあります。上記公式では計算できない様々な形が出てきています。
※ロールスポットとはコンデンサ式溶接電源で連続で通電するシステムです。

※電源の選択など、ご相談いただければアドバイスさせていただきます。